2008年10月12日日曜日

移転します

こちらに。

タイトルも変えてえなあ。

2008年10月5日日曜日

ドラッカーさんこんにちは。

現在のメイン読書は、Peter Ferdinand Drucker『The Essential Drucker』(Harpercollins、2003)なのであって、約1ヶ月間時々中断しつつ読み続けているのにもかかわらずまだ読めていない本なのであるが、とりあえず途中の感想を。

(以下、別所に書いたものを転載)


5分の4ほど読んだ感想は(まだ膨大な著作の一部だけしか読んでいないため、真に受け取らないでいただきたいのだけれど)、Druckerの著作って「偉大な『ビジネス書』」なんじゃないか、ということ。
少なくとも、今僕が読んでいる『Essential Drucker』はそうだ。

この本に記されているのは、主として「経験から導かれる成功への法則」であって、所与の前提から演繹的に導かれる類の法則の影は少し薄い。

もちろん、演繹的な理論のつながりが皆無かというとそうでもなく、むしろ成功の法則を導いた後で、補強として演繹的な理論を用いたりもしている。

僕がしばしば読んでいる「教科書」であるとか「体系書」であるとかと、『Essential Drucker』との違いは、前者が所与の前提から主として演繹的に理論を導いてそれを記しているのに対し、後者が(前述のように)成功の法則を、主として経験から導いている点にある。
そして、経験から導かれる成功の法則を書いた本を我々はなんと呼ぶかというと、「ビジネス書」である。僕がこの本を「偉大なビジネス書」と呼ぶ理由はここにある。
これは、一定のアカデミズムを前提とする「教科書」や「体系書」の類とは少し違う気がするのだが、どんなもんだろうか。


もしかしたらこれは「経営」という、極めてプラクティカルな領域の本であることに起因するのかもしれない。案外「経営学」というのは、理論より実践が優先されることが多いのかも。
こういうのは、所与のものとして種々の法律や「人権」概念が与えられ、それらを現実に適合するように理論の流れに乗せる法学をやっている人間には分かりにくいのかもね。(あるいは値等を数式に乗せる=理論メインの理系の人にも同じことが言えるのかも。)


ああ明日から授業が始まる。


2008年9月23日火曜日

今月の本・2008/9

2週間ほどインターンシップしてきました。
ネットで多様な情報が手に入るようになった(いわゆる「知のコモディティなんとか」な)時代だからこそ、実際に受け入れ先に迷惑をかけて研修させてもらうことは、他との差別化に大きな貢献をしてくれるはずだと信じています。」と某所に書いたら、なかなか肯定的な意見をいくつかいただきました。ですよね。

というわけで、今月の本。今月末は用事があるので先払いで。



Arbinger Institute編集『The Anatomy of Peace: Resolving the Heart of Conflict』(Berrett-Koehler Pub、2008)
先月のこの欄で紹介した『Leadership and Self-Deception: Getting Out of the Box』の続編(話としては前日談になる)。
2日で人生が変わる「箱」の法則』として和訳出版もされている。
内容としては、『Leadership』よりも多少踏み込んで書いてあるため、『Leadership』を先に読むことをおすすめするが、必ずではない。
英語の難易度もそれほど高くないので、自己啓発の実益と英語勉強の実益を兼ねて読むのもいいと思う。

Peter Ferdinand Drucker『The Essential Drucker』(Harpercollins、2008)
マネジメントの巨人、ピーター・ドラッカーのエッセンスを集約した本(多分)。こちらも洋書で。
ビジネスの実務には疎いため共感して読めない部分も少なくないが、同時に知的好奇心を刺激される部分も多い。ドラッカーは「management」をビジネスの場だけに限定していないので、日常生活でも役に立つ部分は多いはず。英語もそれほど難しくない(ドラッカーの母国語はドイツ語)。

植田一三、妻鳥千鶴子『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』(ベレ出版、2004)
英検1級のバイブル本らしい。TOEFLでもスピーキングは必須なので、きっと役に立ってくれるはず。実はまだ積読状態。

清水 かつぞー『英単語ピーナツほどおいしいものはない 金メダルコース』(南雲堂、2002)
こちらも積読。Google副社長・村上式英語勉強方の紹介による。連語で覚えるというメソッドは、記憶には残りやすそう。

勝間和代『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2008)
実は女性向けの本だったりする?男が読んでためにならないわけではない。むしろ将来のトレンドが分かるから、対策にもなる(?)。そりゃあ男女に共通の要素・教訓もありますから。
あと、勝間本のエッセンスもつまっている、と、著者がおっしゃっています。

小宮一慶『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2008)
読書法の部分も多少ためになる。特に、意識的に読書の習慣を始めたい人にはオススメ。
だが、それ以上に、データベース的な意味での本の紹介の部分が嬉しかった。特に僕のような洋書読みを目指す者にとっては。もちろん普通の和書読みの人にも、いい本がたくさん紹介されているのでおすすめできる。
ただ、ディスカヴァー社の本は、普通の新書なのに1000円するんですよね。これなんとかならないかなあ。chaboのせいか。

梨木香歩『西の魔女が死んだ』(新潮社、2001)
三省堂で、この本が平積みになっている横で流れていた映画のトレーラーが良かったので衝動買い。
新しい本かと思ったら2001年出版で、しかも我が家にあったというオチ。まだ読んでいない。

トニー・ブザン『ザ・マインドマップ』(ダイヤモンド社、2005)
ベストセラーな割には、うーん、どうなんだろう、という部分が拭えない気がする。
値段の割に内容が薄い。個人的にはPCでMMが作れればそれでよし。

夏休みにしてはちょっと少ないが、まあインターンもあったし、何よりもまだ9月終わってないしね。

2008年9月14日日曜日

この男、修行中につき

あと1週間は更新が適当になるかもしれんです。
というようなことを去年も言っていた気が。

2008年9月3日水曜日

常滑行ってきた。

ちょっぴり暇があり、ちょうど名鉄のパス券もあったので、はるばる常滑まで行って参りました。
出発時には昨日の集中豪雨により太田川より南は運休だったものの、まあそのうち解除されるだろうと鈍行に乗り、昨日届いた『The Essential Drucker』(Harpercollins、2003)を読みつつ南へ南へと向かいましたですよ。


というか単に電車の中で本が読みたかっただけ、という説もある。というのも、電車の中というのは適度な騒音・緊張感があり、誘惑要因が窓の外の景色ぐらいしかなく、かつ半公共の場ということで姿勢を正す必要性もそこそこあるんで、本を読むのにうってつけだと思うわけだが、いかがだろう。
とかいってるうちに12:00ごろ常滑についたので、まずは昼食。


中華そば茶屋亭にてつけそば中盛り。
ちなみに「並み」と「中盛り」はあるけど「大盛り」というメニューは無いという。


コシの強い麺を甘辛スープにつけて食べる。うまい。
食べ終えたらスープ割とかいうだし汁で漬け汁を薄めて飲むのがこの店のジャスティス。
デザートの杏仁豆腐も、最初に頼んだらあるかどうかわからん的な非重要扱いな対応を受けていたものの、あとで出てきたら甘みを抑えたすっきり味でうまかった。
実際電車の中で本を読むことが主目的である以上目的地は案外どこでもよくて、そうなると次に重要なファクターとなってくるのが美味いものが食べられるか否か、であるところ、ちょうど「名鉄沿線おでかけマガジンWind」が常滑のこの店を紹介していたので、それに釣られていってみた次第だったりする。(ちなみに他の候補としてイワシの刺身定食を食べに知多半田へ行こう、というのもあった。しかし方面が常滑と同じなんだよね。続けざまに2回も同じ方向へ行くのはなんかなあ。)

食後、このまま帰るのも勿体無いので(まあパス券は乗り放題だからこのまま帰ってもいいのだが)、常滑といえば常滑焼であるところ、やきもの散歩道とかいう散歩道があるらしいのでそこをうろつく。


陶芸家が作った色々な招き猫。いわゆるキャットストリート。
目的別に、商売繁盛、美人祈願、安産、旅行安全、学業成就などなど。


じぞう。


土管道路とかなんとか。


巨大招き猫だけど何でこんなことになったのか僕にはよくわからない。
ちなみに裏は張りぼてなんですよねコイツ。

では、疲れたので寝ます。


2008年8月31日日曜日

今月の本・2008/8

夏休みなのでちょっと多目か、そんなこともないか。
というわけで『今月の本』。



川端裕人『The S.O.U.P.』(角川文庫、2004)
ネットの海から生命体が誕生して世界を混乱させる・・・・と書くと、攻殻機動隊を思い出すが、それほどサイバーパンクではない。
あんなにハイスペック要求するゲームがベストセラーになるのかよー!というツッコミはなしで、そこそこ面白い。SFサスペンス。

中井拓志『アリス―Alice in the right hemisphere』(角川書店、2003)
とてつもない能力を持った美少女が主役の小説、というところに惹かれて買うとがっかりするはず。そういう場面はない。
が、先の読めないワクワク感がある。脳味噌に関するウンチクもなかなか。

井上夢人『オルファクトグラム(上)(下)』(講談社文庫、2005)
鼻が凄い良くなったらどーする、という話。WOWWOWドラマにもなったらしい。
犯人の設定のツメが甘いけど、それ以外はなかなかよし。

バーバラ・ミント『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(ダイヤモンド社、1999)
読んだというより、途中で挫折。なぜなら日本語訳がダメダメだから。レトリカルクエスチョンとかもっと訳し方あるだろうとか思った。
原書で読んでみるか。
これを読むなら、照屋華子『ロジカル・シンキング』を読むほうがいい。10倍読みやすく、結果として5倍役に立つ。

マーク・ピーターセン『日本人の英語』(岩波書店、1988)
この人も日本語とかジョークはダメだが、まあネイティブじゃない人が日本語で書いているので仕方がない。
内容は目から鱗が落ちるレベル。TOEFLでも役に立つはず。

本田直之『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新聞社、2006)
とりあえず本を読め、という本。読書へのインセンティブになるが、ビジネス書ばっかり読んでいて面白いんだろうかこの人は。
質・量ともに薄っぺらさが残るが、センスは感じられる。

村上憲郎『村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける』(ダイヤモンド社、2008)
この薄さ・スカスカさで1500円を取るのは、Google副社長だからできること。そうでなければ詐欺。
別の場所でも書いたが、英語の筋トレの本。英語を使う目的によっては、「技術」の本も必要。

田中開ほか『刑事訴訟法』(有斐閣、2008)
短期で読む必要があったので有斐閣アルマ。短期じゃなくてもアルマかSシリーズを買った気がしなくもないが。
刑事訴訟法の教授ぐらいは、どこの法学部にいても当たり前だよね。

Arbinger Institute編集『Leadership and Self-Deception: Getting Out of the Box』(Berrett-Koehler Pub、2002)
邦題は『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房、2006)で、世界規模でのベストセラーらしい。
英語の勉強を兼ねて洋書を読みまくることにしたが、この本は当たりだった。
自己啓発所の類なので難しい語彙もなく、かつ、面白くてためになるという、洋書で英語を勉強する人だけでなく、その他の人にもオススメできる。洋書はamazonで色々手に入る。

で、かったけどまだ手をつけてない本として、

トニー・ブザン『ザ・マインドマップ』(ダイヤモンド社、2005)

スティーブン・R. コヴィー『7つの習慣―成功には原則があった!』(キングベアー出版、1996)

さあて、どっちから読もうかな。

2008年8月26日火曜日

集中講義とボブ・ディラン

集中講義を真面目に聞いていたら頭の中でボブ・ディランが歌い始めた。
集中力がFaretheewellして、意識はlike a rolling stone。


何でこんな日記書いてるんだろう。

the answer is blowin' in the wind.

2008年8月22日金曜日

『やさしく書ける英語論文』

結構TOEFL関連のキーワードで検索をかけてくる人が多いので、ここは一つ、TOEFL iBTのライティングセクションのスコアアップにオススメの本を紹介してみよう。この本のおかげでライティングセクションで2回目において28/30点取れた、といっても過言ではない。のだろうか。

そもそもTOEFL対策用に書かれた本ではないし、出版社も松柏社といって、それほどメジャーなのかどうかわからない。けれどまあこの本に書いてある方法でTOEFL iBT Writing Sectionに挑戦したら、一回目24点、2回目28点だったので、(もちろんこの本だけのおかげとは限らないけど)効果は僕が身をもって示せてると思うし、そういえば出版社も英語関係の書籍に厚いらしいから、とりあえず買ってみて損はないと思う。


ちなみにamazonのリンクはこちら。念のため、アフィではない。

amazonの紹介欄では、
大学で学期末に出すレポートや卒業論文、修士論文を書くときや学術雑誌に投稿するとき、あるいはインターネットで世界に意見を述べたいときなどに役立つ、英語で文章を書く方法を解説する。

と書かれているが、要するに、英語文章の構造を学ぶ本である。分類としては、単語や熟語、文法といったミクロなレベルではなく、文章全体に及ぶ構造・流れというものを理解する、方法論methodologyの本である。
紹介では「卒業論文」とか書かれているが、この本を読んでそこまで長いエッセーが書けるようになるのかどうかは疑問がある。掲載されている例文の長さからして、300~500語あたりのエッセー・ライティングにより向いていると言えそうである。(TOEFL iBTは300語前後なので、ちょうどいい)

また、方法論だけではなく、エッセーを書く上で役に立つ表現も掲載されているが、やはり付録といった感じで、本質は文構造の紹介にある。

「流れ」というのを簡略化すると以下のようになる。(エクセルとペイント利用)
(ちなみにこれとほぼ同じ意味の図が、本の表紙になっている。amazon参照。)



ここからは、この本を読んで、それをTOEFLで使えるようにアレンジしたkousuke流writing section攻略メソッドを紹介する。

まず、イントロで、
私は学費値下げに賛成/反対である。理由はいくつか(several)ある。
というふうに書き、その後に、適当な理由を簡潔に羅列する。SVO.SVO.みたいに。First(ly)のような、余分な文頭副詞は不要。(段落のはじめにとっておく。)たとえば、
高い学費は格差を広げる。大学運営はもっと節約できる。そして、低い学費は国際競争力を上げる。
のように。あるいは動詞を名詞形にし、一文で書ききることもできる。
最初の段落の「総括」はあまり気にしない。書きたいなら、「以下、それぞれを順番に見ていく」とか書けるのかもしれない。前の文がきちんと書けていれば、書かなくてもよい。

そしてその後、理由を詳細に述べるための「トピック支持段落」に移る。
トピック支持段落の最初の一文では、その段落が先に挙げたどの理由について掘り下げるのかを述べる。つまり、
:「高い学費は格差を固定化し、更に(even)広げもする。
というふうに。第一段落で簡潔に述べたのと同様のことを書くわけだ。
ただ、できれば使う単語や表現方法は第一段落のと変えたほうがかっこいいかな、とは思う。
そして理由の詳細な検討へ。
ここでは、1.公の教育は所得の再分配(redistribution)機能を有していること、2.ここで学費を高く設定すると、低所得者から勉学の機会を奪ってしまいかねないこと、3.結果として、教育の機会を奪われた低所得者は低所得の仕事に就く可能性が高く、格差が広がること、とでも書いて、第一文を掘り下げる。
僕の場合、この「掘り下げ文」を3文ぐらい書く。
この3文は、「一般論」+「現在の状況」+「当てはめ」のような演繹的なものでもいいし、「具体例1」+「具体例2」+「具体例3」のような帰納的な方法でもよい。
そして総括として、
このように、平等に反する結果を助長する
あたりを書いておく。総括の重要度は掘り下げ文に劣る。

また、理由の掘り下げ段落として、ありがちな批判への反論を書く、という手もある。

同じように理由その2とその3をこなした後、最終段落へとコマを進める。
個人的な触感として、第一段落とそれに続く掘り下げ段落がきちっと書けていれば、この段落はある程度適当でも構わない。
ここの最初で、もう一度「何が問題となっているか」を確認する。ただ、TOEFLの論点は単純なことが多いので、いらないことも多い。
以上では、大学における学費値上げの是非を検討した。
そして、理由をもう一度おさらいする。
高い学費は、格差拡大、非効率化、国際競争力低下などの悪い結果(bad effects such as ...)をもたらす。
名詞構文が使える。
そして最後に、もう一度自分の主張を書く。最後の段落で一番大事な部分。
よって(therefore)、私は学費値上げに反対である。


integrated taskは少々書き方が違うけど、上を応用すれば何とか書けるはず。
つまり、最初の段落で、何と何と何について(通常3点ぐらいだろう)意見が食い違っているかを書き、続く各段落でその違いを掘り下げる、というふうに。
結論の段落は不要であることが多いだろう。「自分はどちらが説得的だと思う」のような自らの意見の表明も不要だし。

あと、iBTは英文タッチタイピングも大事だと思うんだぜ。
英文タイピング速度に自信のない人は、「international negotiation and night detective player goes toward interesting circumstance」って1000回ぐらい打つといい。英文は適当だけど、ありがちな「文字の順番」を含めてみた。

あと、このエントリを書いている人は大学生だということ、あなたが今読んだのは単なるブログのエントリであることを留意しておきましょう。
上の方法を試したけど15点しか取れなかった、等のクレームは受け付けません。試すなら自己責任で。


改善点等あれば、コメント等にてぜひお知らせください。