2008年10月5日日曜日

ドラッカーさんこんにちは。

現在のメイン読書は、Peter Ferdinand Drucker『The Essential Drucker』(Harpercollins、2003)なのであって、約1ヶ月間時々中断しつつ読み続けているのにもかかわらずまだ読めていない本なのであるが、とりあえず途中の感想を。

(以下、別所に書いたものを転載)


5分の4ほど読んだ感想は(まだ膨大な著作の一部だけしか読んでいないため、真に受け取らないでいただきたいのだけれど)、Druckerの著作って「偉大な『ビジネス書』」なんじゃないか、ということ。
少なくとも、今僕が読んでいる『Essential Drucker』はそうだ。

この本に記されているのは、主として「経験から導かれる成功への法則」であって、所与の前提から演繹的に導かれる類の法則の影は少し薄い。

もちろん、演繹的な理論のつながりが皆無かというとそうでもなく、むしろ成功の法則を導いた後で、補強として演繹的な理論を用いたりもしている。

僕がしばしば読んでいる「教科書」であるとか「体系書」であるとかと、『Essential Drucker』との違いは、前者が所与の前提から主として演繹的に理論を導いてそれを記しているのに対し、後者が(前述のように)成功の法則を、主として経験から導いている点にある。
そして、経験から導かれる成功の法則を書いた本を我々はなんと呼ぶかというと、「ビジネス書」である。僕がこの本を「偉大なビジネス書」と呼ぶ理由はここにある。
これは、一定のアカデミズムを前提とする「教科書」や「体系書」の類とは少し違う気がするのだが、どんなもんだろうか。


もしかしたらこれは「経営」という、極めてプラクティカルな領域の本であることに起因するのかもしれない。案外「経営学」というのは、理論より実践が優先されることが多いのかも。
こういうのは、所与のものとして種々の法律や「人権」概念が与えられ、それらを現実に適合するように理論の流れに乗せる法学をやっている人間には分かりにくいのかもね。(あるいは値等を数式に乗せる=理論メインの理系の人にも同じことが言えるのかも。)


ああ明日から授業が始まる。


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