2008年8月22日金曜日

『やさしく書ける英語論文』

結構TOEFL関連のキーワードで検索をかけてくる人が多いので、ここは一つ、TOEFL iBTのライティングセクションのスコアアップにオススメの本を紹介してみよう。この本のおかげでライティングセクションで2回目において28/30点取れた、といっても過言ではない。のだろうか。

そもそもTOEFL対策用に書かれた本ではないし、出版社も松柏社といって、それほどメジャーなのかどうかわからない。けれどまあこの本に書いてある方法でTOEFL iBT Writing Sectionに挑戦したら、一回目24点、2回目28点だったので、(もちろんこの本だけのおかげとは限らないけど)効果は僕が身をもって示せてると思うし、そういえば出版社も英語関係の書籍に厚いらしいから、とりあえず買ってみて損はないと思う。


ちなみにamazonのリンクはこちら。念のため、アフィではない。

amazonの紹介欄では、
大学で学期末に出すレポートや卒業論文、修士論文を書くときや学術雑誌に投稿するとき、あるいはインターネットで世界に意見を述べたいときなどに役立つ、英語で文章を書く方法を解説する。

と書かれているが、要するに、英語文章の構造を学ぶ本である。分類としては、単語や熟語、文法といったミクロなレベルではなく、文章全体に及ぶ構造・流れというものを理解する、方法論methodologyの本である。
紹介では「卒業論文」とか書かれているが、この本を読んでそこまで長いエッセーが書けるようになるのかどうかは疑問がある。掲載されている例文の長さからして、300~500語あたりのエッセー・ライティングにより向いていると言えそうである。(TOEFL iBTは300語前後なので、ちょうどいい)

また、方法論だけではなく、エッセーを書く上で役に立つ表現も掲載されているが、やはり付録といった感じで、本質は文構造の紹介にある。

「流れ」というのを簡略化すると以下のようになる。(エクセルとペイント利用)
(ちなみにこれとほぼ同じ意味の図が、本の表紙になっている。amazon参照。)



ここからは、この本を読んで、それをTOEFLで使えるようにアレンジしたkousuke流writing section攻略メソッドを紹介する。

まず、イントロで、
私は学費値下げに賛成/反対である。理由はいくつか(several)ある。
というふうに書き、その後に、適当な理由を簡潔に羅列する。SVO.SVO.みたいに。First(ly)のような、余分な文頭副詞は不要。(段落のはじめにとっておく。)たとえば、
高い学費は格差を広げる。大学運営はもっと節約できる。そして、低い学費は国際競争力を上げる。
のように。あるいは動詞を名詞形にし、一文で書ききることもできる。
最初の段落の「総括」はあまり気にしない。書きたいなら、「以下、それぞれを順番に見ていく」とか書けるのかもしれない。前の文がきちんと書けていれば、書かなくてもよい。

そしてその後、理由を詳細に述べるための「トピック支持段落」に移る。
トピック支持段落の最初の一文では、その段落が先に挙げたどの理由について掘り下げるのかを述べる。つまり、
:「高い学費は格差を固定化し、更に(even)広げもする。
というふうに。第一段落で簡潔に述べたのと同様のことを書くわけだ。
ただ、できれば使う単語や表現方法は第一段落のと変えたほうがかっこいいかな、とは思う。
そして理由の詳細な検討へ。
ここでは、1.公の教育は所得の再分配(redistribution)機能を有していること、2.ここで学費を高く設定すると、低所得者から勉学の機会を奪ってしまいかねないこと、3.結果として、教育の機会を奪われた低所得者は低所得の仕事に就く可能性が高く、格差が広がること、とでも書いて、第一文を掘り下げる。
僕の場合、この「掘り下げ文」を3文ぐらい書く。
この3文は、「一般論」+「現在の状況」+「当てはめ」のような演繹的なものでもいいし、「具体例1」+「具体例2」+「具体例3」のような帰納的な方法でもよい。
そして総括として、
このように、平等に反する結果を助長する
あたりを書いておく。総括の重要度は掘り下げ文に劣る。

また、理由の掘り下げ段落として、ありがちな批判への反論を書く、という手もある。

同じように理由その2とその3をこなした後、最終段落へとコマを進める。
個人的な触感として、第一段落とそれに続く掘り下げ段落がきちっと書けていれば、この段落はある程度適当でも構わない。
ここの最初で、もう一度「何が問題となっているか」を確認する。ただ、TOEFLの論点は単純なことが多いので、いらないことも多い。
以上では、大学における学費値上げの是非を検討した。
そして、理由をもう一度おさらいする。
高い学費は、格差拡大、非効率化、国際競争力低下などの悪い結果(bad effects such as ...)をもたらす。
名詞構文が使える。
そして最後に、もう一度自分の主張を書く。最後の段落で一番大事な部分。
よって(therefore)、私は学費値上げに反対である。


integrated taskは少々書き方が違うけど、上を応用すれば何とか書けるはず。
つまり、最初の段落で、何と何と何について(通常3点ぐらいだろう)意見が食い違っているかを書き、続く各段落でその違いを掘り下げる、というふうに。
結論の段落は不要であることが多いだろう。「自分はどちらが説得的だと思う」のような自らの意見の表明も不要だし。

あと、iBTは英文タッチタイピングも大事だと思うんだぜ。
英文タイピング速度に自信のない人は、「international negotiation and night detective player goes toward interesting circumstance」って1000回ぐらい打つといい。英文は適当だけど、ありがちな「文字の順番」を含めてみた。

あと、このエントリを書いている人は大学生だということ、あなたが今読んだのは単なるブログのエントリであることを留意しておきましょう。
上の方法を試したけど15点しか取れなかった、等のクレームは受け付けません。試すなら自己責任で。


改善点等あれば、コメント等にてぜひお知らせください。

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