2007年10月24日水曜日

旅行と英語

リアル鬼ごっこ』売り上げ冊数の100万分の1は私です。申し訳ない。
おそらく帯に騙されたか、あるいは新聞広告に騙されたか。しかもその後に『親指さがし』まで買っているあたり、二重の意味で怖いもの見たさだったんでしょうな。

上記数行が分からない人は実際に山田悠介氏のお本を読んでみると意味が取れると思う。読んで理解できないなら理解できない方が悪い。はず。

で、本日は以前から書く書くと言っていた「旅行と英語」についてのエントリです。


過去のエントリ等を参照していただければ分かるのだが、僕はかなりの旅行好きで、特に大学入学後(といっても在学期間は2年以下)は1年に1度以上、海外へ個人旅行へ行っている。
行き先は、去年の夏はアイルランド、春に香港、今年の夏はドイツ~(中略)~トルコであった。
このような旅行後によく尋ねられるのが「英語は上達したか」という質問なのだが、この質問への答えはYesであってNoである。

なぜそのような曖昧な回答しかできないかといえば、それは以下のような理由による。

まず、ボキャブラリー(語彙)であるとかスラング(俗語・略語・隠語の類)等の英語に関する知識、および発音や反応などの英語スキル、こういったモノについては、1~2週間でそうそう伸びるものではない。聞き取り能力についても同様である。つまり、TOEICの点数は変わらない。

もちろん、2週間の短期語学留学で英語スキルを上達させて帰国する人がいるのも事実であろうが、僕についていえば、それはない。
そもそも旅人の英語もちろん英語以外の外国語も含むというのは、本質的な意味というのが通じればそれで足りるのであり、多くの場合において本質的な意味というのは高校レベルの英語名詞でなんとかなるものなのである。
分かりやすい例を挙げるとすれば、例えばレストランで「Fishing!」と言ったとしても、まさか「釣り行きてえ!」と言う意味に解されることは無いのであって、おそらくほとんどの場合「ああ魚料理が欲しいのだな」と分かってもらえるはずである。
先の例は少々極端なものだが、実際の体験談として、共有できている単語が「ソフィア(ブルガリアの首都名)」しかなかったとしても(相手は英語が話せなかった事例)、ベオグラードの駅でソフィア行きの切符が買えるのである。
要するに、TPOというのは口以上に物を言うのであるから、旅行には高度の英語スキルは不要であり、よって英語スキルも(意識的にならなければ)そんなに上達しませんよ、という話。

これに対して語学留学はといえば、僕は行ったことがないので分からないが、おそらく英語で授業を受けたり、ディスカッションしたり、ホームステイしてホストファミリーと必然的に英語で話さなければならなくなったりするのだろう。
こういう場合はある程度きちんとした英語を意識的に話さねばならないのであるから、もちろん結果として英語力も上昇して然るべきであるし、そもそもこれで上昇しなかったら語学留学の意味も無い。
一方、僕のような旅行形態をとる場合、明日の宿も決まっていないのが通常であるから、恒常的に英語で話すような相手もなし、友達と一緒の場合は日本語で話せば事足りますね、という按配であるから、こういう人的側面から見ても英語スキル上達は望めない。

じゃあさっきから聞いてれば全然英語上達しないんじゃんかよ、なにがYesであってNoだよ、という意見もあるだろうが、ここからが今日の肝である。おそらく。

つまり何が言いたいかというと、「英語を話すスキル」というのは上達しないが、「英語で話しかけたり、あるいはそもそも英語で何か言ったりする勇気」というのはつくのである。
どういうことか。具体的には、困った時の最初の一声「Excuse me.」が最初はなかなか出てこないが、慣れるとかなりの人に対して「Excuse me.」が言えるようになる。
こう書くとごく簡単なことのように見えるが、実際見ず知らずの人に、しかも外国で、しかも母国語とは違う言葉で「すんません」と言って話を切り出すのは、特に日本人のようなシャイな国民にとっては必ずしも簡単なことではない。
しかし、日本ではあまり気づかないことだが、こちらが動かないと世界は自分に気づいてくれないというのは多分に真実であって、つまり最初の一言が無ければ旅行もクソも(Excuse me...)ないのである。

で、話がすこし飛ぶが、この「最初の切り出し」が苦手だから日本人というのはツアー参加者が多く、外国の人々から見て集団行動の日本人というイメージがついてしまうのだ、というのが僕の持論である。
実際、ツアー参加者でないこと、単独行動であることのみを以って、あなたは中国人か?と聞かれることはままある。中国系の顔ではないのだが。


誤解されるといけないので追記・英語ができないからルサンチマンでこんなことを書いた、というわけではない。一応英検は準一級であり、TOEICは受けてないから分からないが、まあ通常人よりはかなり話せるはず。

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