ジャンゴ
花の金曜日、「午後の『日本法制史』どうする~?」という問いに対し、「そんなことより、『ジャンゴ』観に行く人ー。」と聞いたところ、2人ほど共犯者を得られたので、第一回目の日本法制史の授業はさておき『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』を観に行った次第。
この映画、公開されたのが先月の15日であり、本当はもう少し早く観たかったものの、16日から2週間の中欧旅行が入っていたために今更の鑑賞となった。
はてさて感想だが、文章にするのはかなり難しい。鑑賞後、一緒に観た2人との間で、ほとんど映画の内容に関する会話が無かったという事実からも、このことは明らかであろう。
ただ、「明らかにこれは言えるのではないか」ということは数点あって、以下ではそれを箇条書き的に書いてみたい(これもブログだからこそ出切ることだろう)。
まず第一の印象として、英語が非常に聞き取りやすい(この映画、登場人物は1人(タラちゃん)を除いて日本人だが、使用言語は英語である)ということが挙げられる。
まあ日本人の喋る英語だから当たり前ではあるのだが、しかしこれは英語教材にもなりうるほどの聞き取りやすさ。
じゃあお前は英語で全部理解できたのかといわれればそうではないものの、映像がついていれば字幕はいらない程度までは理解できたのではないかとは思うのである。
あと、先ほど英語教材にもなりうると書いたが、よく考えてみればこの映画、PG-12指定であって(確かに人が血みどろになって死にまくる)、中学・高校生に学校で鑑賞させるのには不適かもしれない。
二つ目の印象は、キャスティングが豪華かつ適材適所であるということ。
まあ佐藤浩市と香川照之はもうすこし活動を自粛すべきだとかそういう意見もあるかもしれないが、しかし繊細かつクレイジーな義経を演じた伊勢谷友介や、現在の若手俳優でウエスタンのガンマンを演じられるのは彼しかいないのではないかと思わせられる伊藤英明、清純と妖艶の両方を演じられる日本人女優もそうは居るまい木村佳乃、どうでもいいけどクエンティン・タランティーノ等々、『HERO』にも劣らぬキャスト陣が的確に敷かれている。
しかし一方で、伊藤英明のところで伏線を張っておいたのだが、「彼しかいない」というようなコメントは、配役の妙を表すものであると同時に、現在の映画界における人材不足も物語っているのではないだろうか、と、別に誰が出ていてもあまり気にしないくせに、要らぬ心配をしてしまうのであった。
(しかし伊勢谷サンは山本寛斎の30歳以上下の異母弟だそうで、確かにイケメンキャラといわゆる「3枚目」との違いはあるものの、なんとなく似ているところもある。そういうわけで『不夜城』の山本未来は年上の姪らしい。一体どういう親子関係にあるんだか。)
(あと、キャスティングでいえば、トランペットを吹く原住民役の塩見三省、初の祖母役か桃井かおり、もなかなかいい味を出していた。)
ここまでは大体肯定的評価を書いてきたが、三点目、否定的評価として、何かが足りない。
何が足りないのか、言葉で表すのが難しいということは冒頭ですこし触れたが、では一体何が足りないのか。
おそらく、それを簡潔に表すとしたら、「キレ」ではないだろうか。
タイトルに『スキヤキ』と付いているように、この映画には色々な旨み成分が出ている。が、しかし、出すぎでくどくなっている部分が少なくないのではないか。
例えて言うならば、スキヤキはそれだけ食べたら飽きるのであって、傍らには冷たいビールが欠かせないとか、そういう心情に近いのではないだろうか。
(注・この例えはあくまで例えであり、未成年者である筆者の、飲酒へのコミットを表すものではありません)
そういうわけで、素材のいいスキヤキだけ食べさせられたスキヤキ・ウエスタン、点数換算すると72点、ということで。
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