2007年5月21日月曜日

フューチャリスト宣言・その1

だからmixiは時代遅れと言っただろうに。少なくとも、大学生が使うようなものではないということが、この本からなんとなく分かるんではないかと思う。
梅田望夫氏、2度目の登場である。


どういう本かというと、『フューチャリスト宣言』。
こういう題名だと大体wktkな本か、あるいはトンデモ本かのどちらかだが、この本は明らかに前者である。内容については実際買って読むのが手っ取り早いし、ここでいちいち紹介するべきものでもないだろうからスパッと省く。まあweb2.0ってなんぞや、とか、それってバズワードと違うの?とか思ってる人は、同じく梅田氏の『ウェブ進化論』と合わせて読むといいんではないかと。

んで、以下感想。今日はサークルの友人とトルコ料理を食べに行ったりして忙しく半分しか読んでいないので、続きの感想はそのうち書く。

冒頭の『mixiは時代遅れ』という考えに、梅田氏は前面賛成しているわけではないようだが、「Information wants to be free」の理論に従えば、アカウント所持者のみがアクセス可能なSNSというのは、やはり時代遅れなのではないだろうか。
大体、インターネット世界の魅力の1つに「無限に広い空間中の任意の2点間を障壁なしで移動でき、かかる時間がゼロである」ということが挙げられると思うのだが、mixiにこれは無い。
もっとも「時代遅れ」というのと「これから廃れる」というのは別物で、それ(プライベートなSNS)に安らぎを求める人がいる限り、LPがまだ存在するようにmixiのようなブツも存在し続けるのかもしれないが。

また、情報収集作業において「Googleよりも他人のブログを使う」という方法に、「やっぱそうだよねえ」と激しく共感。
例えば直近のエントリで『電子政府とその課題』というレポートを執筆中である、ということを書いたのだが、このレポート執筆のための参考文献の検索方法が、まさに「他人のブログから検索」というものだった。

どういうことか分かりにくいのでざっと説明。
そもそも「電子政府」という概念自体目新しいもので、本は結構出ているのだが、信用できる書き手かどうか怪しい。分かる人には分かるのだろうが、大学2年生ではまだ難しい。また、「地方行政の最先端」というような本の一節として電子政府が扱われていることも結構あり、OPACやamazonで検索してもこのような書籍にはなかなかたどり着けない。
そういう時に使ったのが有名な社会科学者達のブログであり、そこにキーワードを打ち込むと、まあそこそこ信頼の置けそうな、文献リストに到達できる(ことが結構ある)わけである。
「それって凄いのか?」と思われるかもしれないが、考えてみるとこれは物凄い事である。なぜなら僕はブログを通じてそれら社会科学者の読書体験であるとか、人脈であるとかのソースを無料・即座に、しかも複数利用できるからである。
大学生であれば自分の通っている大学の教授に聞けばいいではないかとも思うが、専門分野の関係で聞けない場合もあろうし、ブログ検索法ならば一々アポとって研究室へ行く手間も省ける。大体、我々は大学に学費を払っているのであり、学生以外の立場からはこれも不要、ということになる。
つまり、何らかのプロフェッションを持つ人が専門分野のブログライティングに時間を裂くということは実は全然無駄なことではなく、むしろ睡眠学習者多数・生徒が来てるのは単位認定のため、といった授業をチンタラやるよりも社会にとって有益なことだったりするのかも。
ブログライティングの効用については『ウェブ進化論』で書かれているので、専門家がブログを立ち上げるにも充分なインセンティブがあるはずだし。
もちろん、この検索法の裏には「その社会科学者は信頼できる(ある程度実績がある、有名大学の教授である・・・etc.)」といった権威主義的評価が隠れており、そのような評価は「集団の叡智」といった概念とは緊張関係に立つのかもしれないが。まあこの話は置いとこう。

権威といえば、上記レポート『電子政府とその課題』においても、「根本がリベラル的な情報技術がauthorityとうまくやっていけるのか」という課題提起が出てくる、かも。

残り半分は明日中に読める予定。続きのエントリがいつになるかは不明。

ついでだから梅田氏のブログにトラバ打っとこうか。著者自身に感想読んでもらえれば夜遅くに書いた意味もあるってもんじゃないだろうか。これぞweb2.0が可能にした効果ってことで。

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