2007年5月7日月曜日

南斗現るトキ

ある種の人間にとっては断末魔の声でいいから参加してみたい、そんなシリーズの話。

初見の映画にもかかわらず大体の流れが予想できてしまう。にもかかわらず遠い映画館に出向く話(上映館数が少ないため)


タイトルから分かる人は分かる。その映画の名は『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝~激闘の章』。

ストーリーについては、原作には無いつじつま合わせ(?)や、深みを出すための若干の修正があったが、しかし原作を知っていても楽しめるのだから合格だろう。(おそらく映画版に登場しないキャラクターについて不満がある人も居るだろうけど。)

音楽もなかなかよかった。特に「許せ!ユリアー!」のシーンのピアノ曲とか。B'zの『ロンリースターズ』もヤケにピコピコ音だったけど、それがまたいい。
映画の内容がシリアスなので、クリスタルキングの『愛をとりもどせ!』を入れなかったのも賢明な判断だろう。(そのかわりだろうか、映画中に「愛をとりもどす」といった表現が結構出てきてたような気がする)

『~殉愛の章』から文句の多い声優も、確かにラオウの声が微妙かなとは思うものの、一応及第点だろう。
ラオウの声が宇梶サンなのは、おそらく「ラオウとトキって兄弟なのにあんまり似て無いじゃん」という批判をかわすため、ラオウのビジュアルをトキにすり寄せたからではないかと勝手に想像している。映画版のラオウは原作やアニメ版よりアゴが細く、かなりイケメン化しているような気がするし。
宇梶サンと同じく批判の多い石田ゆり子だが、セリフのクオリティーでカバーされているのではないか。パンフの写真を見ると結構お年を召されているようではあるけど。

しかし問題は作画。少なくない部分がかんたん作画になっていてガックリ。ほとんどの見せ場カットではちゃんと劇画調になるのだが、それでも不統一感が否めない悲しさよ。
『北斗の拳』は線が多くて書くのに時間がかかりそうで、アニメーターさんも大変だろうから、あまり文句は言えないのかもしれないが(よく知らんがアニメーターさんの待遇も過酷らしいし)。
作画クオリティ向上のために、みんなで劇場に足を運んで、OVA買って、ノーススターズに金を流すか。
というか、俳優をボイスアクターに起用するとどれくらいコストが上がるんだろうか。あまりかかりすぎるようであれば、一般の声優さんに仕事を回して絵の質を上げてほしいと思った。だって柴咲コウのファンだから『北斗の拳』見るとかないだろう。普通。

というわけで75点くらいだろうか。あのマンガを原作に持つならば85点は欲しいところだったのに・・・・
しかし『ユリア伝』は65分の作品で5000円以上するにもかかわらず予約してしまった。『トキ伝』もおそらく買うだろう(登場人物の中でトキが一番好きだし)。
こうなったらとことん付き合うしかないのか。

ちなみに、日本人の友人でこの映画を見に行く予定の人はいないが、大学に来ている韓国人の留学生が大変興味を示していた。彼曰く「『北斗の拳』というマンガには人をひきつける魅力がある」らしい。
やっぱりマンガで日本語を覚えたという人は違う。

0 コメント: