2008年7月13日日曜日

攻殻機動隊2.0

映画エントリは4月の『ヱヴァンゲリヲン』以来、しかも劇場で見た映画としては3月の『死神の精度』以来で、非常にご無沙汰している感があるわけだが、しかし。

ひっさびさの映画評は、そう、この作品が! この監督が! 期待を裏切ろうはずがない! 『攻殻機動隊2.0』の搭乗だア!(バキ風に)


そりゃあ嬉しいですよ。だってかの『攻殻機動隊』が映画館で観られるんですよ?GHOST IN THE SHELLですよGHOST IN THE SHELL。現代の伝説にして神々しい芸術であり、マトリックスをはじめとする後のサイファイに影響を与えて歴史を変えたともいえるあのGIS攻殻機動隊のリメイクなわけですよ?GIS攻殻が最初に劇場公開された時、僕はまだリアル一ケタだったので観にいけず、結局イノセンスから入った身(で、実は第一作より『イノセンス』が好き)なわけですが、だからこそこの作品を劇場で観たいという願望は人一倍強かったわけで、その念願遂に叶う! 博物館のコンクリが銃弾で砕け散るシーンが劇場で観られる! 「ネットは広大だわ・・・」が劇場で聞ける! そりゃ鼻血たらしてでも観に行くでしょうJK。とりあえずGJ監督。GJスカイ・クロラ。

というのが前置きで、さて本編の感想。
やっぱりこの作品凄すぎる。
APPLE SEED』も『ベクシル』も、攻殻にはかないっこないね。というかホントに13年前の作品なのかこれは。
いや、全編リメイクしてあるので「13年前の作品」と言い難い事は分かるのだけど、ストーリーやセリフ(例えば人形使いがラボで口にする生命の定義云々)等、この13年で飛躍的に進歩した技術とは無関係の分野でさえ、全く古さ・アナクロさといったものを感じさせない。これは原作の士郎正宗氏の才能も大いに貢献しているところであろうが(驚くべきことに単行本版攻殻の初版は1991年である)、映画作品そのものの力でもあろう。

映像については、セル画部分がどのように変わったのかはあまり分からなかったものの、冒頭のビルから飛び降りるシーン、それに続くオープニングの義体素子作成過程、映画史上に残る最後の1分(広大だわ・・・)等の3DCG部は見違えるほどの進化を遂げている。もちろん旧版には旧版の良さがあるが、個人的にはこの2.0リメイクの映像には最大限の拍手を送りたい。(ただ、全体的なカラートーンが、かの『マトリックス』に影響を与えたクール系のグリーン・ブルーから、攻殻の続編たる『イノセンス』の基調色であった暖色系のオレンジに変わっていたのは少々残念。『イノセンス』が愛の物語であるのに対し、GISは素子の覚醒の物語なので、シャープカラーが似合うと思うのだが。)
繊細な神経をお持ちの方は、3DCGシーンと2Dシーンの、一種のギャップに戸惑われるかもしれないが、それはそれとして受け入れてしまえばどうということはない。要は慣れである。

また、押井作品といえば川井憲次大先生の音楽を期待して来る人も多いと思うが、この点も満足の出来であった。というか前作のサウンドを引き継いでいるのだから当たり前ではあるが。あの「遠神恵賜」の迫力は異常。確か1.0ではコーラスが3人だったはずだけど、今回はイノセンス並に増えたのかしらん。

その他気になったこと等を列挙すると、
・人形使いの声が男声から女声に変わっていた。不気味度5割り増しといった感じ。前とどちらがいいかというとそれは難しい。
・ヘリコプター(ティルトローター?)に「」の文字が。確か押井監督が担当した『沸騰都市』(NHK)のオープニングでもこの文字が使用されていた。使いまわしたのだろうか。それともこの文字が好きなのか。
・とりあえず人が多かった。『イノセンス』に加え、アニメシリーズにOVAであるSSSも出され、攻殻機動隊の知名度がそれなりに上がったということか。『イノセンス』はそこそこ空いてた思い出があるが、今日の攻殻はほぼ満席。
・パンフレットが1500円と高い。まあ旧作のパンフを復刻してくっつけてあるので2冊分の値段なのかもしれないが、それでもこの厚さ・紙質なら1冊600円で計1200円が妥当だろう。


で、映画の後に英語教室(ELS)の見学行ってまいりました。
「英会話学校は役に立たない」という意見が一部で流行のようですがその点いかに。
詳しくはまた後日。

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