ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
未だ若干の不安要素はありますが、それでも4月病はほぼ完治したようで、そろそろ調子が戻ってまいりました。
で、今日セブンアンドワイに注文していた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(しかも特装版だ)が届いたので、早速鑑賞。そしてその感想。(ホントは25日発売だったようですが、セブンの粋な計らいで24日(今日)到着)
しかし実は僕、「正しい」エヴァ鑑賞者ではない、のかもしれない。
というのも、今に至るまでTV版、劇場版(旧世紀版)は全く見ていないからなのだが、しかし貞元エヴァ(コミックス)は読んでるし、wikiの関連項目もほぼ読んでいるので、偉そうに語っても「ニワカが何を抜かすか」とか言わないでください。
この特装版、元の値段は約6000円だが、セブンアンドワイの割引で約4800円に。これで通常版と600円しか差が無く、しかも1ヶ月先の発売であり、特典つきとあればこちらを買うしかないだろ常識的に考えて。
パッケージを開けると、ほぼ赤一色(かっこよく言えばクリムゾンとかカーディナルとかそっち系か)のカバーが登場。そしてガサツかつ繊細に書かれた「EVANGERION:1.01」(劇場公開版から書き直されたシーンがあるから「1.01」らしい)の文字。その下には活字で「YOU ARE (NOT) ALONE.」。センスよすぎる。感動。
そしてDVDケースは黒字に同じロゴ。
「攻殻SSS」DVDの装丁もなかなかよかったけど、今回はそれ以上。期待が高まる。
特典は特装版解説書と生フィルムの切れ端。
解説書はありがちなモノで、生フィルムは光にすかしてもどのシーンか分からなかった。これが「笑えばいいと思うよ」の後にレイが笑ってるシーンとか、ヤシマ作戦でライフルを構える初号機とか、あるいは第五の使徒(TV版の第4使途シャムシエル。新劇場版は使徒のナンバリングが一つずつずれている。詳しくはwiki参照)と初号機が刺し違えてるシーンとか、そういうのだったら鼻血出てたのに、残念。
ちなみに黒のDVDケースの内側は、DVD含めほぼ赤一色。本作ではこの「赤」ってのが重要なキーなのではないかと僕なんかは勘ぐっているのだが、どうだろうか(あるいは「赤」+「黒」がキーなのか)。というのも、最初の海のシーンの海水の色が赤だったり、使徒が死ぬ際に真っ赤な血を撒き散らして死んだり、レイの目なんかはもともと赤いけど、ミサトさんとリツコおばさんが赤っぽいバーで酒飲んでたりしてるし。
まあいいや、内容。
やっぱエヴァは「新しい」なあというのが最初の感想。
原作/総監督の庵野秀明氏が「我々は再び、何を作ろうとしているのか?」と題された文章において述べている通り、メタレベルというか「心意気」のレベルでエヴァを超えてる作品というのはなかなか思いつかない(とはいえ、そこまでアニメ見てないけど)。
僕としては、エヴァの第一の特異性はその「救いようの無さ」にあると考えている。
主人公(シンジ)は父親(ゲンドウ)から拒絶され、更に友人(トウジ)を殺しかけ(マンガ版では殺している)、分かり合えたと思ったレイは死に、アスカは精神崩壊する。ここまで薄幸な主人公は未だかつて存在しなかったし、これからもきっと存在しない。
幸薄いのは主人公だけではなく、他のキャラもおしなべてアンハッピーときている。
タイトルから絶望している「さよなら絶望先生」にしたって、ここまで絶望的な、救いようの無いストーリーじゃないだろうに。
しかし本作のサブタイトルが「YOU ARE (NOT) ALONE.」であったり、前記「我々は再び~」で庵野監督が「中高生向けの作品でもある(要旨)」と述べていることから察するに、(あくまで勝手な推測だが)この新劇場版、TV版やコミックスよりも「救いがいのある」、つまりシンジやその他の人物にとってハッピーなストーリーになるのではないだろうか。
具体的にどんな「ハッピー」が待ち受けているのかは分からないけど、例えばトウジが死なないとか、2人目のレイが死なないとか、ゲンドウとシンジが和解するとか、あるいはゲンドウがシンジの中にユイを発見するとか、そんな感じで。
ヤシマ作戦直前に、トウジやケンスケからシンジへ「頑張れよ」的メッセージが送られてきたことや、ミサトがゲンドウに「テメェの息子を信じろ」と啖呵を切って、ゲンドウがそれを受け入れたのもその現われかもしれないし。
動画やデザインも細かくかっこよく、質感や状況(気候や大気等)のリアリティも凄い。
ジオフロントや新東京の展開・格納シーンは美しささえ感じさせるし(しかしあれだけの動かそうとおもったらどれだけの電力がいるんだろう)、TV版では作りこめなかったらしいヤシマ作戦はド迫力。
変幻自在に形を変える第六の使徒(TV版では第5使徒ラミエル)のカッコよさは異常。ラミエルとヤシマ作戦のシーンのためだけにでも見る価値はある。
同じ新劇場版でも、『北斗の拳』みたく「かんたん作画」になっていないのは良かった。(とはいえ、「北斗」はキャラがゴチャゴチャしてるもんな)
また映画評エントリにありがちに、まとまりの無い内容になってしまったが、唐突にここで終わる。
毎度おなじみ評点をつけるとすれば、88点といったところか。かなり好印象で続編が楽しみである。
あと、宇多田ヒカルの『Beautiful World』も良かった。
「もしも願い一つだけかなうなら 君のそばで眠らせて」ってのは貸しの一部だが、これほどエヴァを象徴する言葉もあるまい。
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